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制御盤・電装ボックス 板金設計 製作.com

盤設計提案事例

before

制御盤の防水構造における「浸水対策」と「メンテナンス性」の課題

本案件は、塗装や洗浄ブース内で使用される制御盤の製作事例です。屋内設置ではありますが、洗浄水などが飛散する環境で使用されるため、屋内仕様でありながら高い防水性能を実現する必要がありました。

当初検討された製作方法として、内部に支柱を設け、4面の板を取り付けることで完全防水を実現する構造がありました。しかし、この方法では構造上、盤の開口部が狭まってしまいます。お客様からは「内部メンテナンス性を考慮し、開口部が狭まることは絶対に避けたい」との強いご要望をいただいており、この一般的な防水構造は採用できませんでした。

そこで、開口部を確保できる「観音開き扉」を採用することになりましたが、以下の構造的な課題が発生しました。

  1. 切り欠き部からの浸水リスク
  2. 製品の水切り部分との干渉を避けるため、扉下部に「切り欠き加工」を施す必要がありました。しかし、観音開き特有の両扉の合わせ目と、この切り欠き部分が重なることで、そこが水の侵入経路となってしまうことが判明しました。
  3. パッキンによる対策の限界
    扉を閉める際の構造上の制約から、単にパッキンを追加するだけでは、この複雑な形状の隙間を完全に塞ぐことは困難でした。

「広い開口部の確保」と「特殊形状部分の防水」という相反する課題を解決できる構造を求め、当社にご相談いただきました。

after

コの字型の金具の追加

これらの課題を解決するため、当社が技術提案として採用したのは、扉の切り欠き加工部分に「コの字型の金具」を追加する構造への変更です。

通常、両開き扉の合わせ目にある「切り欠き」は、雨水などが侵入しやすい弱点となります。そこで、この切り欠き部分を内側からカバーするような「コの字金具」を取り付けることで、両扉の隙間を物理的に塞ぎ、水の侵入経路を遮断する仕組みとしました。 これにより、懸念されていた切り欠き部分からの浸水を防ぎ、筐体内部への水濡れリスクを解消することができました。

本事例のように、わずかな金具の追加や構造の工夫を行うことで、既存の形状を大きく変えることなく「防水性能の確保」と「内部機器の保護」を実現することができます。 屋外盤の防水対策や、複雑な切り欠き加工における機能維持でお困りの際は、設計段階から最適な形状をご提案いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。