技術コラム
【図解】盤の種類をまとめて解説!制御盤や分電盤、配電盤など役割と構造の違いとは?
あらゆる場所で電気を安全に使うために不可欠な盤ですが、その役割は様々です。
この記事では、各種盤の板金加工を専門とする向陽缶機が、主要な盤の種類とその役割、構造の違いについて、図を交えながら分かりやすく解説します。
盤の主な種類とそれぞれの役割
◆制御盤(せいぎょばん)
役割: 機械や設備の複雑な動作をプログラム通りに自動制御している。工場の自動化(FA)に不可欠。
主な中身: シーケンサ(PLC)、リレー、インバータ、スイッチング電源、操作スイッチなど。
設置場所の例: 工場の生産ライン、エレベーターの機械室、空調設備、ポンプ設備など。
板金加工のポイント: 内部機器の熱を逃がす放熱性、埃や水から守る保護構造(IP等級)、メンテナンスのしやすさが重要。お客様の仕様に合わせたオーダーメイド製作が基本となる。
制御盤についての記事はこちら
◆配電盤(はいでんばん)
役割: 発電所から送られてきた高圧の電気を施設内で使えるように変圧し、各エリアの分電盤などに電気を分配する。
主な中身: 高圧受電設備、変圧器(トランス)、遮断器、保護継電器など。
設置場所の例: 工場やビルの受電室(電気室)。
板金加工のポイント: 高電圧に耐える高い強度と安全性、耐震性が求められる大型の盤。
配電盤についての記事はこちら
◆分電盤(ぶんでんばん)
役割: 配電盤から受けた電気を、照明やコンセント、空調などの末端の電気回路へ分配する。
主な中身: 主幹ブレーカー、分岐ブレーカー、漏電遮断器など。
設置場所の例: オフィス、店舗、家庭の壁など、身近な場所。
板金加工のポイント: 設置場所の景観を損なわないデザイン性や、限られたスペースに収めるための小型化が求められる。
分電盤についての記事はこちら

最適な盤設計のポイント

盤を製作・選定する際に、最低限おさえておきたいポイントを解説します。
➊IP(保護等級)について
盤には、IEC規格で定められた「IPコード(例:IP44, IP55)」という保護等級があります。
屋外であれば雨水の浸入を防ぐ構造(水返し等)が必要であり、パッキンの選定や溶接構造も変わってきます。
環境に適したIP等級を指定することが、機器の寿命を延ばす第一歩です。
➋収納する機器について(重量・発熱量)
重量への対応:
トランスや大型インバータなど重い機器を載せる場合、中板(取付板)の板厚を上げたり、補強アングルを入れたりする必要があります。
熱対策:
盤内の温度が上がりすぎると機器が誤作動・故障します。内部の発熱総量を計算し、適切な排熱方法(自然換気ルーバー、冷却ファン、盤用クーラー、熱交換器)を選定する必要があります。
➌制御盤板金について
一枚の金属板から箱を作る際、重要なのが「展開図」の精度と「曲げ」の技術です。
特に複雑な形状の盤や、水密性が求められる盤では、角の処理(溶接や隙間のなさ)が品質を左右します。
制御盤・電装ボックス 板金設計・製作.comでは、長年のノウハウにより、直角出しの精度はもちろん、溶接歪みを最小限に抑える設計提案を行っています。
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