技術コラム
電装ボックスとは?選定方法と設計段階でのコストダウンのポイントをご紹介!
産業機器や設備の心臓部とも言える精密機器を収める電装ボックスは、単なる「箱」ではありません。システムの安定稼働を支え、内部の資産を守り抜く極めて重要な役割を担っています。
最適な電装ボックスの選び方から、既製品にはない特注品の価値、そして設計段階でコストを抑えるポイントまで、専門的な視点で詳しく解説いたします。
電装ボックスとは?
電装ボックスは、内部の繊細な電子機器を塵埃や水分、衝撃といった外部環境から確実に保護するために使用されます。
工場などの産業機械、自動車、家電製品、あるいは住宅の壁面など、電気を使うあらゆる場所で使用されます。
外部環境からの保護というシンプルな役割ですが、製品の安易な選定は、微妙にサイズが合わないために内部の配線に無理が生じたり、追加の穴あけ加工を現場で行うことで防錆性能が低下したりといった問題が生じる場合があります。
電装ボックス選定の際の3つのポイント
電装ボックスを選定するためには、まず明確な基準を持つことが重要です。
「設置環境」の考慮
屋内での使用か、あるいは雨風や直射日光にさらされる屋外か、さらには塩害や化学薬品の影響を受ける特殊な環境下かによって、求められるスペックは劇的に変わります。
「材質の特性」の考慮
コストパフォーマンスに優れ、屋内用途で最も一般的なのが鉄(一般鋼板)ですが、耐食性を最優先するならばステンレス(SUS304など)の選択が不可欠となります。また、内部機器の放熱性を高めたい場合や、装置全体の軽量化を図りたい場合には、アルミという選択肢も有力になります。
「保護等級(IP)」の把握
数値が上がるほど保護性能は高まりますが、過剰なスペックはコストアップに直結します。設置場所の実際のリスクに見合った、最適なIP等級を選定することがプロの設計と言えます。
特注品が必要なケース
既製品のラインナップでは対応しきれない課題を解決するのが、特注電装ボックスの強みです。まず、設置スペースの制約によりミリ単位での寸法設計が求められる場合、特注品であればデッドスペースを最小限に抑えた最適な形状を実現できます。
また、複雑な位置への穴あけ加工や、内部機器を効率よく配置するための専用ステー(取り付け金具)のカスタマイズも、特注ならではのメリットです。これにより、現場での追加加工という手間を一切省き、納品後すぐに組み込み作業へと移行できます。
さらに、近年重要視されているのが「熱対策」です。内部機器の高機能化に伴い、発生する熱をどう逃がすかが課題となっています。特注製作であれば、効果的な位置への放熱スリットの配置や、冷却ファンの取り付けを考慮した構造を、設計段階から組み込むことが可能です。
設計段階でコストを抑えるためのポイント
特注品は高価になりがちだと思われがちですが、板金加工のプロの視点を取り入れることで、むしろトータルコストを抑えることができます。
ポイントは、無駄な工程を省く「板金に適した設計」にあります。例えば、標準的な金型で対応できる曲げ形状を意識したり、溶接箇所を減らすための展開工夫を凝らしたりすることで、製作時間を短縮しコストダウンを図ることが可能です。過度な公差設定を避け、機能性を維持しながらも製作のしやすさを考慮した形状の工夫こそが、低コストで高品質な電装ボックスを生み出す秘訣となります。
制御盤・電装ボックス 板金設計・製作.com の盤・板金製作事例
① 外付け取り外し可能レール付き トランス収納屋外盤
こちらは大型トランスを収納する屋外盤の製作事例になります。重量物であるトランスの搬入出をスムーズに行えるよう、現場での作業性に配慮した構造としています。最大の特徴は、トランスを筐体内へスライドさせるための「外付け取り外し可能レール」を取り付けられる点です。
>>事例の詳細はこちら

②大型トランス収納盤
こちらは屋外で使用される大型トランス収納筐体の製作事例です。
収納されるトランスが重量物であるため、本体には補強を施し、屋外設置に耐える強度と歪み対策を確保しています。外装では、筐体の大型化に合わせて3分割扉を採用し、確実に取り付けられる構造としました。屋根は、奥行きの異なる盤同士を連結できるように設計された防水仕様の特殊構造となっており、設置環境に応じた柔軟な対応が可能です。
>>事例の詳細はこちら

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