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技術コラム

制御盤ボックスとは?材質やサイズ、構造の最適な選び方を徹底解説

「制御盤ボックス」とは、制御盤内部にある配電機器や制御機器などを安全に収納するための専用の箱のことで、「筐体」「キャビネット」「エンクロージャー」などとも呼ばれています。
そんな制御盤ボックスの種類は、材質やサイズ、設置場所(環境)などによって分かれます。
本記事では、制御盤ボックスの基本的な役割から、最適なものを選ぶためのポイント、そしてオーダーメイド製作のメリットまでを分かりやすく解説します。

制御盤ボックスの基本的な役割とは?

なぜ制御盤には専用の「箱」が必要なのでしょうか?その最も重要な役割は、内部の精密な機器を衝撃や粉塵、水分といった様々な外部環境から守るという重要な役割を担っています。

①物理的な保護:衝撃や振動から内部機器を守ります。
②環境的な保護:工場内の粉塵や湿気、油分、屋外の雨風などから機器の故障や劣化を防ぎます。
③安全性の確保:作業者が高電圧部分に触れて感電するのを防ぎ、万が一のトラブルが外部に影響を及ぼさないようにします。

最適な制御盤ボックスの選び方

最適な制御盤ボックスを選ぶためには、「材質」「サイズ」「使用環境」の3つの要素を総合的に検討することが重要です。

ポイント① 材質

制御盤ボックスの性能やコストを大きく左右するのが「材質」です。
制御盤ボックスの素材選びでは、単に価格だけで判断するのではなく、使用環境に合わせてコストと耐久性のバランスを考慮し、最適なものを選択することが重要です。
主に以下の3種類が使用されます。

■スチール【SPCC(冷間圧延鋼板)SPHC(熱間圧延鋼板)など】
最も一般的で広く使用されている材質です。安価で加工しやすく、耐久性があるのが最大のメリットです。耐腐食性が低くさびやすいため、表面に塗装を施すことで、防錆性を高めて使用されます。屋内での使用や、コストパフォーマンスを重視する場合に最適です。

■ステンレス(SUS304,SUS430)
スチールに比べて錆びにくく、鋼板にした際の強度も高いのが特徴です。耐食性・耐久性に優れていることから、薬品や油がかかる工場、湿度の高い食品工場、屋外や海が近い沿岸部など、厳しい環境下での使用に適しています。
衛生的であるため、ハイジェニック用やクリーンルーム、医療現場でも採用されています。SUS304は耐腐食性が高いですが、SUS430に比べて高価です。

■アルミ(A5052P,A1100P)
鉄やステンレスに比べて非常に軽量なのが特長です。小さな盤を制作する場合や、軽量化が求められる場合に適しています。耐久性に優れておらず、曲がりやすいため大型のボックス製作には向きません。また、アルミ板は放熱性、耐腐食性にも優れている。

ポイント② サイズ

制御盤ボックスのサイズを考える際は、収納する機器がすべて収まる寸法を指定することはもちろん、将来のメンテナンスや増設まで考慮して決める必要があります。

■内寸と外寸の考え方
寸法を指定する際は、箱全体の大きさである外寸と、実際に機器を設置できるスペースである有効内寸を区別する必要があります。収納する機器の合計サイズだけでなく、機器同士の間隔や配線スペースを考慮して、余裕のある内寸を確保することが重要です。

■機器配置のコツ
PLCや電源、端子台など、内部機器の配置は、メンテナンスのしやすさや熱対策に大きく影響します。熱を持つ機器は上部に配置し、吸排気口を設けるなど、空気の流れを考慮したレイアウトが求められます。

ポイント③ 設置場所(環境)

制御盤ボックスをどこに設置するのかに合わせてボックスの構造を考える必要があります。

■屋内設置の場合
直射日光や雨風の影響は少ないものの、工場によってはオイルミストやちりが多いため、環境に応じた素材選び、防塵対策、場合によっては冷却装置の設置が求められます。

■屋外設置の場合
雨水やちりの侵入を防ぐため、パッキンによる防水や、ボックスの穴をシリコンでシーリングする対策が不可欠です。
これらの防水・防塵性能は「IP保護等級」という国際規格で示されます。

ポイント④ IP保護等級

「IP〇△」のように2つの数字で表され、
・〇(第一特性):人体や固形物の侵入に対する保護等級(0~6)
・△(第二特性):水の浸入に対する保護等級(0~8)
を示します。数字が大きいほど保護性能は高くなります。

例えば、
IP43・・・屋外の一般的な環境(雨がかかる程度)
IP55・・・粉塵が多く、ジェット水流がかかるような工場内環境
IP67・・・粉塵の侵入が完全に防がれ、一時的に水中に沈めても影響がないレベル

このように、設置する場所の環境に合わせて適切なIP等級を選定することが、トラブルを防ぐうえで重要です。

既製品とオーダーメイド品、どちらを選ぶべきか?

制御盤ボックスには、決まったサイズの「既製品」と、仕様に合わせて一から作る「オーダーメイド品」があります。

■既製品
小規模な制御盤で、サイズや仕様が規格品で収まる場合に適しています。短納期で入手でき、オーダーメードに比べ安価であるというメリットがあります。

■オーダーメイド品
設置スペースに制限がある場合や、特殊な形状、多数の穴加工が必要な場合に最適です。オーダーメイドには、以下のような大きなメリットがあります。

自由な設計: 設置場所に合わせた最適なサイズ・形状で製作できます。
最適な強度: 収納機器の重量に合わせて、板厚や補強を設計できます。
工数の削減: 必要な穴やタップ加工をあらかじめ施すことで、受け入れ後の追加工の手間が省けます。

制御盤・電装ボックス 板金設計・製作.com の盤製作事

① 変電所設備 高圧盤

この高圧盤は、お客様のイメージ図を基に、溶接や塗装に特殊なノウハウが必要な狭い間隔のルーバーを自社で設計・製作した点が最大の特徴です。さらに、屋根は凹みを防ぐために斜めに設計し、耐候性の高い塗装を施しています。内部には、トランスなどの重量物を設置するため、アングル材による頑丈なフレーム構造を採用しました。
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② 消雪設備 ステンレス制御盤

この制御盤は、屋外に設置される消雪設備向けとして、防水性を確保するための扉まわりの折り返し構造と、メーター・スイッチを取り付ける内扉付きの二重構造が特徴です。大型盤のため、溶接による歪みを抑える内部補強を施し、さらにコーキング処理によって防水性を高めています。設計から溶接、塗装、組立まで一貫対応した事例です。
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