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技術コラム

分電盤とは?役割・種類・内部構造をわかりやすく解説

本記事では、分電盤の基本的な仕組みから、役割、内部構造、種類、採用時のポイントまで、専門内容をわかりやすく解説します。

分電盤とは?

分電盤とは、電力会社や上位の配電設備から供給された電気を、建物内の各回路へ安全に分配するための装置です。
照明、コンセント、空調、機械設備など、用途ごとに電気を分岐し、過電流や漏電を防止し、安全に電気を使える状態を維持します。

分電盤は、住居から工場まで規模を問わず必要とされる設備であり、規模と用途に応じてタイプや構造が異なります。

分電盤の主な役割

分電盤の役割は、単に電気を「分ける」だけではありません。建物と設備を保護し、安全に運用するための機能が多数備わっています。

① 電気を用途ごとに分岐して供給する

建物内の照明・空調・コンセント・機械設備などへ、必要な電力量を正しく配る役割があります。
適切な配電が行われることで、建物全体の電気が安定して利用できます。

② 過電流を検知し、回路を保護する

電気の使いすぎやショートなどにより過電流が発生すると、分岐ブレーカーが自動的にその回路だけを遮断し、他の設備への影響を防ぎます。

③ 漏電を検知し、火災や感電から守る

漏電が発生すると、漏電ブレーカーが瞬時に電気を遮断し、火災・感電事故のリスクを大幅に低減します。

④ 電力の使用状況を可視化する

電力量計、電圧計、電流計などが組み込まれるケースでは、建物全体の電力使用量や負荷状況を正確に把握できます。

分電盤の種類

分電盤は目的や建物規模によって複数の種類があります。
ここでは主要なタイプを紹介します。

■電灯盤(住宅用分電盤)

一般家庭に設置される最も身近なタイプです。
主幹ブレーカー・分岐ブレーカー・漏電ブレーカーがひとつの箱にまとめられています。
回路数が多く、照明・空調・コンセントなど用途別に細かく分岐されています。

■動力盤(動力分電盤)

工場では、モーターやコンプレッサーなど動力設備を多く扱うため、動力回路専用の分電盤が必要です。
高負荷に耐えるため、盤筐体の強度・放熱性・耐久性も重要になります。

分電盤の内部構造と主要機器

分電盤の扉を開けると、用途に応じた電気機器が整理して取り付けられています。
代表的な内部構成要素を紹介します。

■主幹ブレーカー(メインブレーカー)

建物全体の電源を統括し、過電流・漏電が発生した際には建物全体の電気を遮断します。

■分岐ブレーカー(回路ブレーカー)

照明・空調・コンセントなど各回路ごとに配置され、異常が発生した回路を停止させることで被害の拡大を防ぎます。

■漏電ブレーカー(ELB)

漏電・感電の危険を検知し、瞬時に電気を遮断します。住宅・工場問わず、最も重要な安全機器のひとつです。

■計測機器(電力量計・電圧計など)

電気の使用状況を把握するための装置で、設備管理や省エネ対策にも欠かせません。

■端子台

外部機器との配線を整理するための中継地点であり、メンテナンス性・安全性に関わる重要な部品です。

分電盤の設置・選定のポイント

分電盤は、建物や設備の条件に合わせて適切な仕様を選ぶことが重要です。

Point① 必要な電気容量を正確に計画する

主幹容量や回路数が不足すると、頻繁にブレーカーが落ちたり、電気設備が安定して動作しない原因になります。

Point②  設置環境に合った筐体仕様を選ぶ

■屋内:一般鋼板+塗装
■工場:油・粉じんが多いため密閉構造が必要
■屋外:ステンレス製筐体や耐候塗装が必須
環境条件に応じて素材選定を行うことが、長寿命化につながります。

Point③  メンテナンスしやすい配線レイアウト

端子台の配置や配線スペースの広さは、点検・改修の効率に直結します。将来の機器追加に備えた余裕ある設計も重要です。

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