技術コラム
制御盤とは?その役割や内部構造についてを徹底解説
工場のロボットアームや、普段利用するエレベーターが、プログラム通りに正確かつ安全に動くことを、裏で支えている装置が「制御盤」です。
本記事では、あらゆる産業に不可欠な制御盤が、具体的にどのような役割を果たし、どのような内部構造なのかを分かりやすく徹底解説します。
制御盤とは
制御盤とは、工場の機械や身近な建物の設備などを、電気の力で思い通りに動かすための装置です。
その中には、制御に必要な様々な電気機器がボックス内に収められており、システム全体をコントロールする重要な役割を担います。
制御盤の主な役割
制御盤は、機械をただ動かすだけでなく、操作・監視・保護という複数の重要な仕事をこなしています。
① 自動制御
PLC(シーケンサ)と呼ばれる小型のコンピューターを司令塔として、あらかじめ組まれたプログラム通りに機械や設備を自動で動かします。これが制御盤の最も中心的な役割です。
② 手動操作
盤の表面にあるスイッチやボタンを使い、作業者が機械を起動・停止させたり、緊急時に手動で操作したりする役割を担います。
③ 状態監視
パイロットランプの点灯や、タッチパネルの表示などを通じて、機械が正常に動いているか、異常が発生していないかを作業者にリアルタイムで知らせます。
④ 安全保護
ブレーカーなどを用いて、過剰な電流(過電流)や漏電を検知した際に、瞬時に電気を遮断します。これにより、高価な機械や作業者を電気的なトラブルから守ります。
制御盤の構造
【盤の外部】

■筐体(きょうたい)
鉄やステンレスなどで作られた箱そのものです。
内部の精密機器を、工場のホコリや水分、物理的な衝撃から守る重要な役割があります。
■操作機器
機械に動作指示を出すための部品です。
押ボタンスイッチや、モードを切り替えるセレクトスイッチがあります。
■表示・計測機器
機械の状態を可視化する部品です。
電源が入っているかを示す表示灯(パイロットランプ)や、電圧・電流を示すメーター、
より詳細な情報を表示するタッチパネルなどがあります。
【盤の内部】

筐体の扉を開けると、機械を動かすための様々な電気機器が、配線ダクトなどを用いて機能的に配置されています。
盤の内部には多種多様な機器がありますが、ここでは特に重要なものを6つご紹介します。
■シーケンサ(PLC)
プログラムを記憶し、各機器に指令を出す機器です。
■ブレーカー類
制御盤全体の主電源を入れたり切ったりするほか、ショート(短絡)などの電気的異常から回路を保護します。
■電磁接触器(マグネットスイッチ)
モーターのような大きな電力が必要な機器の電源を、シーケンサからの小さな信号で安全にON/OFFするためのリレーの一種です。
■インバータ
モーターの回転速度を自由自在にコントロールする装置です。これにより、機械の動きを滑らかにしたり、省エネを実現したりします。
■電源装置(パワーサプライ)
コンセントから供給される交流100Vや200Vの電気を、シーケンサやセンサーなどが動作するために必要な直流24Vといった低電圧の電気に変換します。
■端子台
制御盤の内部と、外部のモーターやセンサーとを繋ぐ配線を、整理して接続するための中継地点です。メンテナンス性を大きく左右します。
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